凸凹デイズ

恋愛小説ではなく、エッセイでもなく、青春真っ盛りな感じでもなく、ライトでほんわかしていて、でもほんわかを狙ってなくて、肩の力がいい具合に抜けた小説を読みたい・・・って、なんだか疲れてる人みたいじゃないですか。
でも最近そんな気分。

最近は本を探す根性もなく、基本的に平積みしてある中からめぼしいものを表紙買いするのみという体たらく。

そんな私の力の入らなさっぷりを読まれたんじゃないかと思うくらい、すっごいがんばってるはずなのになぜかガツガツした感じが微塵も感じられない「お仕事小説」に出会いました。
山本幸久『凸凹デイズ』

とある弱小デザイン事務所を舞台に失恋したり、ライバルが現れたり、ちょっと嫉妬したり、新しい友達ができたり。「大人の青春」物語が展開する。

そこで描かれるのはいい具合に肩の力の抜けた人たちで、安野モヨコの『働きマン』のようなガッツリさもなければ、ドラマ『Around 40』で描かれていたような焦りや開き直りやプライドも(そして素敵な恋愛も)なく、事件という事件も起きないままに淡々と日常が進んでいく様子。
主人公の目線も実に淡々としているので、失恋しようが仕事が綱渡りだろうが、あせらずに読み進める。

読みながら「実に三浦しおんっぽい文体だ」と思っていたら、文庫本解説を三浦しおんが書いていて笑えた。
その解説もけっこうよくて、お得な気分でした。

凸凹デイズ (文春文庫 や 42-1)

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山本 幸久

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