恩田陸『エンド・ゲーム』 – 「あっち方面」ダークサイド

『光の帝国』、『蒲公英草子』 に続く常野一族の物語の3作目。

この間軽井沢で読む本がなくなり、車に積んであったBookoffに売ろうと思ってた本から引っ張り出して読んだ『光の帝国』が記憶に残っていたほど嫌じゃなかったので3部作一気読みしてみようと買いました。
で、『蒲公英草子』を読み終わった後にも思ったけど、やっぱり恩田陸の「あっち方面」はちょいと苦手。

しかもこの『エンド・ゲーム』は、人間の一部が植物やボーリングのピンなど変化してしまった異形のものを「ひっくり返す」戦いを続けている人たちという、「あっち方面」の中でもわりとダークでおっかない部類の人たちが主人公。
緊張感あふれる先の読めない展開で、胎教によろしくなさそう。

恩田陸本人があとがきでも触れているように、常野の3作目ということのプレッシャーと、これを書いていた時の彼女の精神状態みたいなものが反映されていて、全体的に凝りすぎたというか、素直に読めない仕上がりになってしまっているのが少し残念。
あとがきの最後に「常野一族はまだ続きます」というようなことが書いてあるのでこれから先もシリーズとして発表されるのだろうが、常野一族には戦いつつも穏やかに、光あふれる方向に生きてほしいと思います。

でもこれ、アニメかなんかで映像化したら案外面白いのかなー。

 

エンド・ゲーム―常野物語 (集英社文庫)
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