妊娠にまつわるわだかまり

妊娠するとその瞬間から無条件にあふれる母性本能で幸せいっぱいになる人もいるようですが、私はそれよりも不安とか不満とか苛立ちが大きくて、10か月目に突入した今でも全然妊婦である自分に慣れることができないでいます。

「こんなこと言ったら罰当たりかな」「もっと素直に喜んでないと母親失格なのかな」という考えが頭をよぎることもありますが、素直に喜んでばっかりもいられないんだからしょうがない。
妊婦生活も残すところあと1ヶ月を切ったので、ここで思い切って妊娠にまつわるわだかまりをぶちまけてみる。

  • お腹、ジャマ!
    8か月くらいから猛烈に存在感の増したお腹。
    かわいいかわいいベビーがいるんだから邪険にしちゃいかん、と思いつつもジャマでしょうがない。
    レストランとかでテーブルの間を歩くのにもお腹が引っかかるし、シンク下に収納してあるボウルをとるときにもお腹がつっかえる。
    椅子に座っていても、膝を閉じるのが難しくなってきていて、すごくお行儀の悪い座り方になってしまう。
    歩き方もドスコイな感じになってしまい、なんというか、ただジャマって言うだけじゃなくて、とにかく日々のあらゆる動作がセクシーじゃないのだ。
    しかも、お腹が出っ張りすぎて臍がなくなったよ!まっ平らだよ!
    こうなるともはや自分は異形である、と思ってしまい、義姉のように「妊婦神々しいわー!」と感動したりすることはできないのであった。
  • まともな服が着られなくて、とってもみじめな気分
    かわいいマタニティ服は高いのでもったいなくて買っていない & ひたすらラクな服装でないとシンドイので、特に仕事を辞めてからは「部屋着か!」と自分で突っ込みたくなるような服装ばかりしている。
    もともとファッションに敏感なわけでもないが、ふと鏡に映った自分の姿を見るとすごい凹む。
    さらにはお腹が出てるだけなのか太ったのかよく分からない体型+とはいえ厳然たる事実としてけっこう太ってしまったことで、「ああ、こうやって女を失っていくんだ」という恐怖を覚えます。
    そして、妊婦用の巨大なパンツはセクシーさのかけらもなく、洗濯して干されているオバサンパンツを見ているとこの上なく悲しくなるのであった・・・。
  • かわいい・・・?
    予定日まで1カ月を切ったが、いまだにお腹の子を「かわいい」と心から思えてない。
    超音波写真を見て「かわいい!」「△△に似ている!」などとエキサイトする妊婦さんもいるらしいですが、私は超音波写真を見ても「巨神兵みたいだな」「今度はターミネーターだな」「おー、呪怨(怖)」などと罰当たりな感想を持ってしまっている。
    両親学級で新生児を目の当たりにしてようやくお腹の子が出てきて対面するのが楽しみになったものの、「かわいい」とか「愛してる」みたいな感情が沸き出るには程遠い状態。
    「お腹ジャマだなー」「そんなに動いたら痛いよー」などと不謹慎なことばっかり考えているのでありました。
    ま、出てきてからが本番ってことで。
  • 仕事してないってこんなに不安なのか!!
    夏の間は本当にしんどくて、正直会社に行かなくてよくなったのは大変助かった。
    が、このまま専業主婦になる気はさらさらないので、職を失ってしまったことはものすごーくショックであった。
    今回のリストラはチームが解散になるという非常事態ではあったものの、「育児休暇から戻ってこられる保証はできない」「産休直後に戻ってもらうにしても、早退や欠勤が頻発するようでは困る」と、正面切って「妊婦・乳飲み子を抱えた母親は戦力外通告」をされたのは自分で予想していた以上に堪えた。
    尊敬していた先輩ワーキングマザーに相談した時に「正直、私があなたの上司だったら、今のご時世、産休は取ってもらっていいけど育児休暇は取らずに復帰してってお願いすると思う」と言われたのもかなりショックだった。
    妊娠~出産~育児ってのも少子高齢化まっしぐらな日本国においては非常に大切な仕事だと思うのだが、自分的に「過ごしているすべての時間が金を稼ぐことにつながっておらず、むしろ金を使うばっかりである」という事実はかなり後ろめたく、屈辱的。
    目下最大の不安は、育児がちゃんとできるかってことよりも、将来的に仕事に復帰できるかってことです。
  • お金かかりますね・・・
    今年から14枚もらえるようになった妊婦健診無料券をありがたく使わせてもらっているのだが、それでも通っている病院で検診1回あたりかかる費用は約1.1万円。
    無料券ではカバーできる検診の範囲が限られているため、結局毎回窓口で精算するたびに諭吉さんがひらひらと財布から飛び立っていくのであります。
    入院するとさらに100万単位でお金がかかり、もちろん保険は適用されないのですべて自己負担。
    保健組合から補助金が出るとはいえ、無視できない赤字っぷりです。
    腑に落ちないのが、妊婦超音波検診の無料券は35歳以上でないと使えないという制限があること!
    少子高齢化に歯止めをかけるためには、むしろ20代のうちに出産した方が得みたいな仕組みにすべきじゃないかと思うのだが、そこんとこどうなんでしょう、世田谷区さん?

 

ライフステージがドラマチックに変化するターニングポイントにいるのに、新しいステージをなかなか受け入れる準備ができてないんだなーと思います。
赤ちゃんが生まれた瞬間にすべてが吹っ飛ぶといいんだけどなー。

母となる喜びに満ちた毎日、みたいなところからは程遠いところでもがいてるんで、これが実際に生まれてきた後にどう変化するのかは、楽しみ。

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